当社の歩み
当社の歩み
約十年前、厚生労働省が当時の「薬事法」を一部改正し、「再生医療安全法」を制定したことをきっかけに、再生医療分野への注目が高まりました。私共はこれを契機に、株式会社サンテジャを設立し、以来、特に幹細胞治療(SC治療)と免疫細胞治療の二つの領域で、世界的に著名な研究者やハイレベルな研究機関とのネットワークの下、日本を舞台に臨床レベルの研究に真摯に取り組んで来ました。これらの研究成果は、製造設備や工程の拡充、更には各種細胞に適した培地などの開発に応用され、多くの新製品を生んで来ました。
当社の幹細胞治療(SC治療)分野への取り組みとして、先ずは治療応用の期待の大きい人臍帯由来間葉系幹細胞(MSC)の研究から開始しました。体外で大量に増殖・培養が可能と言う利点はありますが、現在の日本の再生医療安全法では自家細胞への応用のみが認められているため、この他家由来MSCを用いた治療はまだ実用化には至っておりません。当社で目下、他家由来MSCから精製された再生医療用エクソソーム製剤に注目、製造工程や製造ライン、そして関連する培地を開発することで、バイオ医薬品メーカーの幅広いニーズにソリューションを提供することを目指しております。
再生医療安全法の下で行われている自家由来の脂肪細胞培養でも、当社は高品質、コストパフォーマンスに優れた培地を提供したいと考えています。
更に、入手困難な神経幹細胞や組織幹細胞についても、不死化細胞やiPS細胞由来の細胞を用いた治療レベルでの研究、製造開発を、それ等の特徴を考慮しながら進めています。これらの細胞の培養上清液から生成されるエクソソーム製剤についても、有力なパートナーと共同で治療応用の研究を推進しています。
当社の免疫細胞医療分野での取り組みでは、培養後の免疫細胞数の確保と品質管理方法、さらに培養スタッフのスキル維持という難しい課題に向き合って来ました。海外パートナーと共に、医療現場レベルで通用する全自動免疫細胞培養機(完全閉鎖系回収システム)の開発を進め、最適な培地も考案しています。既にNK細胞の培養は目途が立ち、T細胞の全自動培養化も視野に入れています。従来のマニュアルでの免疫細胞培養作業を全自動に切り替えることを目指し、引いては再生医療における免疫細胞供給サービスの大幅なレベルアップに貢献したいと考えています。
また、全自動免疫細胞培養装置から得られた培養上清液を利用して精製したエクソソームでも、日本における最先端のエクソソーム研究施設との共同研究により、商品化に向けた開発を進めており、早期の実用化を目指しています。
当社のエクソソーム解析による早期の疾病診断にも、大きな期待を持って取り組んでいます。迅速に、且つ高感度で検出し、高い再現性を以て診断できるかが、大きな研究課題ですが、物理的な特性や表面抗体、糖鎖などに注目した診断に供するエクソソームの抽出、精製方法を探りつつ、それぞれの疾病診断に適したキットの開発で実用化に近づきつつあります。インパクトファクター(IF)が高い論文に基づいた基礎研究データも応用しながら、エクソソーム分野での診断キット開発をリードして参ります。
会社概要
社名
株式会社サンテジャ (Santeja+)
本社所在地所在地
〒160−0023東京都新宿区西新宿7―22―34東海ビル3階
TEL/FAX
03-5739-1888/03-5739-1887
業務内容
エクソソームなどのバイオテクノロジー分野の戦略的マーケティングとセールス
主要顧客
大学病院並びに研究室、国立病院並びに研究室、国公立研究機関、製薬企業、医療法人など
従業員数
10名
許認可
・高度管理医療機器等販売業/賃貸業
・医薬品卸販売業(予定)
技術背景
エクソソームとは
エクソソーム(Exosome)は、細胞内の小胞輸送を介してMultivesicular body (MVB) から細胞外に放出される直径30~100 nmほどの細胞外小胞(Extracellular vesicle; EV)の一種です。
エクソソームの膜表面上にはテトラスパニン(Tetraspanin)と呼ばれる4回膜貫通タンパク質が多く発現しており、CD9やCD63といった分子が一般的なエクソソームのマーカーとして知られています。また、内部にはタンパク質、脂質、核酸などが含まれています。 エクソソームは、細胞外に分泌された後、血液や尿、唾液などの体液を介して隣接もしくは離れた組織に取り込まれ、細胞間情報伝達の担い手として機能することが示唆されています。
近年、エクソソーム中のmiRNAの存在が明らかになったことから、特に、エクソソーム由来のmiRNAのプロファイリングと細胞や組織特異性、疾患との関連について注目が集まるようになりました。
現在、癌などをはじめとする様々な疾患において、エクソソーム由来の分子を用いた診断薬の開発や創薬ターゲットとしての可能性、ドラッグデリバリーシステムのツールとしての利用など、エクソソームに焦点を当てた様々な研究が行われています。